タイ医師会は、タクシン元首相が一昨年亡命先から帰国し、刑務所ではなく病院で刑期を過ごした件について調査を行い、同氏が重病であったという証拠は不十分であると結論づけた。その結果、2名の医師が免許停止処分の対象となり、1名が警告処分を受けることになった。この処分には保健相の承認が必要だが、保健相は現在の与党・タイ貢献党のソムサク氏で、同党の党首はタクシン氏の娘、ペートンタン現首相だ。問題となった3人の医師は、矯正病院と警察総合病院に勤務する医師で、2名は虚偽の医療情報を含む文書を作成したとされ、もう1名は入院の紹介状の基準を満たしていなかったとされている。タクシン氏は2023年8月に15年間の海外逃亡から帰国し、その日のうちに収監されたが、初日の夜に「胸の痛みや高血圧、低酸素」などを理由に病院へ転送。その後、約6か月間の入院生活を送った。費用はすべて自己負担で、VIP病室(1泊8,500バーツ)を利用した。2024年2月に「高齢で重病」との理由で仮釈放されたが、その後は全国を精力的に回り、政党の選挙活動にも積極的に参加している。これを受け、最高裁判所は刑期が適切に執行されたかどうかを調査すると発表。6月13日には、娘であるペートンタン首相も事情聴取を受ける予定。タクシン氏自身は書面で説明を提出するとしている。【ここがポイント】有罪判決を受けたタクシン氏が突然亡命先から帰国し、収監されずにそのまま警察病院に入院しましたが、入院した病室の豪華さには驚かされました。また半年の入院後、刑期を残して恩赦となりそのまま釈放、その後の積極的な政治活動は多くのメディアで取りあげられてます。その当時は特別待遇への疑問を持つ人は多かったですが、その後、同氏の次女が首相に就任したことでなるほどと納得された方も多かったと思います。ところが、2年前の出来事を蒸し返すような今回のタイ医師会の決定、また、最高裁判所の調査決定はタイ政治の中で何かが起こっていると考えざるを得ません。今後表に出てくる政治の動きは要注意かと思います。