タイ下院は8月16日、憲法裁判所の判決で失職したセーター前首相の後任として、タクシン元首相の次女で与党第1党「タイ貢献党」党首であるペートンタン氏(37)を第31代首相に選出した。指名投票の結果は、賛成票319、反対票145、棄権27、欠席2。タイで2人目の女性首相であり、歴代最年少の首相となる。15日午前中はタイ貢献党・チャイカセム氏の首相候補擁立が濃厚となったが、その後、同氏が検事総長だった時、タクシン元首相の起訴を複数見送っていること、および不敬罪規定に言及した発言記録のあることが発覚。そのため、同日夜、ペートンタン氏を首相候補として擁立することで連立与党の意見が一致した。 【ここがポイント!】セター元首相は連立与党最大政党のタイ貢献党に属していますが、この政党の党首であり、実質リーダーのタクシン氏の次女であるペートンタン氏が次期首相に選ばれました。タクシン氏、その妹のインラック氏とも首相になりましたがいずれも軍主導のクーデターにより海外に亡命しました。タクシン氏は長年の亡命から昨年帰国し、有罪判決を受けているにも関わらず恩赦により政治活動を再開し、恐らくそれが一つの背景となってセター首相の解職判決に繋がったことを考えると、法律に則った手続きを経ているとはいえ、タクシン氏の次女が次期首相に選ばれることに違和感を感じざるを得ません。下院の定員は500名ですが、連立政権の主要な構成(昨年時点)は、タイ貢献党141名、軍に近い2つの政党76名、タイ名誉党71名となっていますが、この主要政党間にて話し合いが行われ合意に至りました。因みに解党に追い込まれた前進党は151名でした。下院の任期満了まであと3年ですが、次回の選挙後の勢力図がどのように変わるか知る由もありません。