ミャンマーで発生したマグニチュード7.7の地震は、2,700人以上の命を奪い、バンコクでは建設中のオフィスタワーが倒壊した。タイ当局によれば、約13,000棟の建物に何らかの損傷が確認され、広範囲にわたって避難と安全確認が行われた。ミャンマーで過去100年で最大だったこの地震は、特にコンドミニアム購入を検討していた人々の信頼を揺るがし、短期的に販売を冷え込ませ、バンコクおよびその郊外での供給過剰を悪化させるとみられている。バンコク首都圏の不動産開発業者は、2023年末時点で約23万5,000戸の未販売住宅を抱えており、これは2018年以降で最多となっている。2024年の販売戸数は約5万3,000戸で、前年比37%の減少となった(タイ・コンドミニアム協会による)。専門家は、今後3〜6ヶ月は特に高層コンドミニアムへの需要が冷え込むと予測。地震による点検費用や修繕コストがかかるため、高層物件を多く持つ大手デベロッパー(アナンダ、オリジンなど)は大きな影響を受けるとみられている。一方で、地震による死亡者やコンドミニアムの倒壊はなかったこと、各社が迅速に安全確認を行っていることを根拠に不安は一時的なものにとどまるとの見方もある。大手デベロッパーのサンシリ社などは、建物の安全性への信頼を取り戻すために、SNSを活用した広報活動を開始した。サンシリ社CEOは動画メッセージで、同社の250件以上の住宅プロジェクトのうち半数以上の検査を完了し、重大な構造的損傷は発見されなかったと述べた。他の開発会社も、同様の安全性に関する保証を発表している。「高層コンドミニアムではひび割れや建材の落下など、一部で不安を感じさせる事象はありましたが、多くの開発業者が迅速に対応し、コンドミニアムの倒壊による死者が出なかったことで、構造や建築の品質に対する安心感はあるはずです」と、タイ・コンドミニアム協会会長はコメントしている。 【ここがポイント】バンコクでは近年高層ビルが相次いで建設されています。建設途中の現場を見かけることが多いですが、鉄骨の骨組みがないなど日本の建設途上の様子とはまるで異なることに気づきます。タイでも建築時の耐震基準はあるようですが、震度3の揺れで、現存のビルの倒壊はなかったものの多数のビルで亀裂やひび割れなどの損傷があり安全性への不安は拭えません。ビルの非破壊構造検査は日本の得意とするところで今後日本の協力が必要となってくると思われます。