最大野党・前進党は昨年5月の総選挙運動期間中、不敬罪を規定した刑法112条の改正を公約に掲げたことが「王制転覆の試み」にあたるとして有罪となった。その後、中央選挙管理委員会が同党解党を憲法裁判所に請求。同裁判所は8月7日に判決を下す予定だ。中央選管は同様の理由で前進党役員の10年間におよぶ公民権停止も請求している。 前進党は昨年の総選挙で最多議席を獲得し、当時のピタ同党党首が首相指名選挙で新首相に選ばれる可能性があったものの、親軍政権の樹立を狙う上院議員の多くが反対して実現できずに政権樹立を断念。前進党は連立政権には加わらずに第2党のタイ貢献党を中核とする新政権が誕生することになった。 【ここがポイント!】タイは民主主義国家ですが、タイの政治は非常に分かりにくいです。前進党は昨年の下院選挙で最大議席数を得たにも関わらず連立与党から排除され野党となっています。国民からの支持は大きいですが、8月の憲法裁判所の判決次第で解党の可能性があるのです。この前進党は、2019年の下院選挙で第二党に躍進したものの同年に憲法裁判所で違憲の判決が出て解党させられた新未来党の流れを汲んでいます。この解党判決後、学生、若者が中心となって改憲、議会解散、王室改革を求める大規模なデモが起きました。バンコク都内を群衆が埋め尽くす場面を記憶されている方も多いかと思います。今回の憲法裁判所の判決で解党命令が発せられると前進党の支持層である若い世代の反発、不満が爆発し、2019年同様の混乱が起きないか懸念されています。タイは昨今経済低迷に陥っており、政治混乱は避けてほしいところです。