最大野党人民党(PP)の党首を含む議員3名が8月25日、刑事裁判所に出廷し、タイの大手エネルギー企業であるガルフ・ディベロップメント社が起こした名誉毀損訴訟の予備審理に出席した。同党のこれまでの一連の会見内容や議会での討議内容がガルフ社の名誉を傷つけているとして、ナタポン党首他二名を相手に同社が訴訟を提起した。同社は、被告1人につき1億バーツの損害賠償を請求している。ナタポン党首は、水曜日に同党の他の幹部と共に会見し、「国民が公平な電気料金を支払えるようにするため、選出された代表として善意で行動した、PPは一貫して電力料金体系の透明化と実際のコストを反映した仕組みを求めてきた」と述べた。ナタポン氏は、新しい国家エネルギー計画も未だ隠れたコストを解消できていないとし、「政府は過去と同じように過剰な電力を購入したり、不必要なエネルギーインフラを建設したりしている、いったん契約を結んでしまえば、修正は難しくなり、子や孫の世代にまで負担を残すことになる」と警告した。さらに、「政府は入札もなく、購入プロセスの詳細も示さずに同じ価格で電力を買い続けている。なぜタイにさらに予備電力が必要なのか、購入が誰の利益になるのかも説明がない」と指摘した。ナタポン党首は「すべての国民に公平な電気料金を求める立場を改めて表明する。我々は国民の利益を守るために正直に行動してきた」と述べ、「資本グループであれ、エネルギー企業であれ、どんな訴訟であっても我々は屈せず、国民の代表としての職務を続ける」と強調した。また、PPは国家汚職防止委員会(NACC)に対し、プラユット政権から現ペートンタン政権に至るまでの電力購入手続きと政策の調査を求めている。 【ここがポイント】人民党は、最大野党であると共に国会内の最大政党です。現在の政権政党のタイ貢献党よりも大きい政党ですが、反王室や民主化を掲げているので、選挙のたびに解党処分を受け、党名を変えてきました。新未来党や前進党が過去の党名ですが、国民、特に若い世代や都心部での支持が大きいです。一方、ガルフ社はサラット氏が一代で築き上げた巨大エネルギー会社で、同氏の政治力は計り知れません。タイのエネルギー界のまさに根幹にいる会社です。人民党はそのタイのエネルギー根幹に切り込んできたといえましょう。党首が会見で言っているように、記者会見や国会での討議という開かれた場での議論が名誉棄損に当たると提起されましたが、ガルフ社による圧力と考えられなくもありません。今後の展開は要注意と思います。