5月18日午後、バンコク都フワイクワン区のアソーク・ラチャダピセーク通り沿い、エアポートレールリンク・マッカサン駅近くで、貨物列車と路線バスが衝突し炎上する重大事故が発生した。警察によると、これまでに8人の死亡が確認され、少なくとも35人が負傷した。事故は午後3時42分ごろ、「206番エアコン付き路線バスが炎上している」との通報が緊急通報センターに寄せられた。消防隊が現場に到着した際には、貨物列車がバスおよびバイクに衝突した後で火災が発生しており、バスは数分で炎に包まれた。現場では断続的に爆発音も聞こえたという。消火後、車内から8人の遺体が収容された。負傷者35人のうち2人は重体で、救急隊により近隣病院へ搬送された。チャチャート都知事によると、列車はレムチャバン港からバンスー駅へ向かっていた貨物列車で、交通渋滞により踏切上で立ち往生したバスに衝突したとみられる。列車は衝突後、バスを約50メートル引きずり、周囲の車両にも火が燃え移った。事故直前、踏切の遮断機が正常に作動していなかったとの目撃証言があり、SNS上には遮断機が途中で止まったままの映像も投稿されている。また、踏切係員が「車両が踏切上に取り残されている」と無線で運転士に連絡したものの、応答がなかったとの報告もあり、当局は無線記録の調査を進めている。現場には都知事のほか、運輸省幹部やバンコク大量輸送公社(BMTA)関係者が入り、状況確認と対応にあたっている。8人の遺体は警察病院に搬送され、身元確認が進められている。【ここがポイント】事故現場となったアソーク・ラチャダピセーク通りは、日頃から交通量が極めて多く、慢性的な渋滞で知られるエリアです。踏切が設置されているマッカサン駅はエアポートレールリンクの高架駅で、スワンナプーム空港へ向かう鉄道のターミナルとして機能しています。さらに将来は、3空港を結ぶ高速鉄道の起点となる予定で、バンコクの交通の要衝と位置づけられています。その一方で、駅周辺には時代から取り残されたかのように、貨物線やタイ国鉄(SRT)の在来線が高架化されないまま道路と平面交差しており、踏切が残存しています。都市の中心部にこのような踏切が存在することに危険性を感じていましたが、その懸念が今回の事故で現実となってしまいました。バンコクでは最新鋭のビルやショッピングモールが次々と建設される一方で、道路や交通信号といった基礎的なインフラ整備が追いついていないのが実情です。事故の原因や背景は今後の調査で明らかになるとみられますが、都市の成長に見合った社会インフラの整備が急務であることを、今回の事故は改めて突きつけたと言えます。