タイ商務省は、中国企業の物流業界への進出が国内事業者に与える影響について協議する方針を明らにした。物流サービス業者やタイ商工会議所(TCC)、タイエ業連盟(FTI)、タイ船荷協会(TNSC)など関係団体の代表者を招き、対応策を検討する。20日付のタイ英字紙バンコク・ポスト(経済1面)が報じた。同省関係者が明らかにしたところによると、中国企業がタイ人名義で事業を展開する「ノミニー」問題に集点を当てる。タイの事業者が不利にならないよう規制強化を目指す。同省のロナロン製易局長は「国内生産を脅かす輸入品に対し、アンチダンピング(不当廉売)や相殺関税措置などの救済策を講じている」と説明。一方で、「企業家も競争に適応し、備えるべきだ」と国内事業者の努力も求めた。同省は14日、ノミニーによる運営が疑われる企業の立ち入り検査を実施。オラモン企業振興局長は、タイ人を名義株主にして外国人の所有を隠す企業を調査していると述べた。観光業や不動産取引、物流事業などが対象という。同省はまた、中小企業支援策として、電子商取引(EC)やデジタルマーケティングなどの研修も実施。変化するビジネス環境での競争力強化を目指している。 【ここがポイント!】タイは外国からの投資を積極的に受け入れ経済を発展させてきました。そのために首相直轄の投資委員会(BOI)などを設置し海外からの投資に様々な特典を付与しています。一方で、国内産業や中小企業などの保護も行っております。外国人、外国企業がタイで事業を行う場合、外国人事業法(Foreign Business Act)の適用を受けます。業種を幾つかに分類し、ある業種は、外国人の事業は禁止、ある業種は、例外的にある条件の下で許可されるなど細かな規制があります。物流、小売りなどのサービス業は原則禁止されてます。そのため規制業種で外国人が事業を行う場合は、タイ人株主を50%以上いれて形式的にはタイ企業として事業を行う場合が多いです。この記事のように中国企業がタイ人の名義を借りて事業を行うことは、非常に由々しき問題です。外国人事業法に違反するだけにとどまらず、タイ経済が実質的に中国企業に乗っ取られる危険性を孕んでおり、商務省は本腰入れて対応する必要があります。