タイ政府観光庁(TAT)は、人気のキャラクター「バターベア」を起用し、中国人観光客の誘致を図る新たなキャンペーンを8月に開始すると明らかにした。バターベアは、バンコク発祥の黄色いクマのキャラクター。TATによると、バターベアは中国で約100万人のファンを持つとされ、そのうち少なくとも1割をタイへの観光客誘致に結び付けたい考え。2024年の中国人観光客誘致目標800万人の達成を目指す。 キャンペーンでは、バターベアが有名観光地を訪れる様子を撮影し、ショッピングや食事、寺院訪問などの活動を動画で配信する。プロモーションや抽選なども実施する予定。TATのニティー副総裁は、バターベアを影響力ある存在として活用し、旅行意欲を喚起したい考えを示した。キャンペーン期間は3~6カ月を予定している。タイ政府は、中国人観光客の回復に力を入れている。19年に約1100万人だった中国人観光客はコロナ禍で大幅に減少。24年は徐々に回復しているものの、7月15日時点で370万人にとどまっている。 【ここがポイント!】タイの観光業は関連ビジネスを含めGDPの20%を占めているといわれてます。昨今の景気低迷からの脱却を目指し、政府はあの手この手で景気刺激策を講じようとしてますが未だ成果が上がっておりません。コロナ前の外国人観光客の入国者数は約4000万人、この内中国人は1100万人でした。観光業を盛り上げ景気を刺激するために中国人観光客の誘致が必要と考えた政府は、今年の目標を800万人とし、ビザの免除、航空便の増便などの手を打ってきました。今回のバターベア起用もその一環です。セター首相はSNSで、地元で育ったバターベアを人々を旅行に誘うインスピレーションを与えるキャラとして称賛するほど熱の入れようです。ただ観光業へのテコ入れだけでは本格的な景気回復には繋がらず、構造改革を見据えた長期的な視点の施策が期待されます。