天気予報士は、9月8日(日曜日)の朝に熱帯低気圧になった台風Yagiの影響により、タイの北部と北東部で大雨が続くと予想している。 一方、アンダマン海からタイランド湾上空に亘る強いモンスーンにより、東部と南部の西海岸では大雨が降る予想。気象局は、日曜日に小型ボートがアンダマン海付近とタイ湾付近に近づかないよう勧告した。タイ北部で発生した洪水が、観光産業に深刻な打撃を与えている。スームサック暫定観光・スポーツ相よると、観光損失は4億9100万バーツ(約21億円)に上り、観光収入は2億バーツ減少する見込みだ。特に被害が大きかったのはパヤオ、ナーン、プレー、スコタイ、ウタラディットの各県。ウタラディット県では地すべりも発生した。スームサック氏によると、観光地の閉鎖により5万7092人の観光客が予定通りの旅行ができなくなった。宿泊施設の客室稼働率も大幅に低下した。ナーン県では稼働率が8月25~26日に平時の70%から5%まで急落。スコタイ、プレー両県でもそれぞれ40%から16%に、60%から30%に低下した。スームサック氏は観光・スポーツ省と政府観光庁(TAT)が全国の被災地向けの復興計画を準備していると説明した。2024年第3円半期の旅行需要喚起に向け、ホテルやレストラン、航空会社による特別プロモーションも計画されているという。 【ここがポイント!】タイと日本では洪水のイメージがだいぶ異なります。日本で洪水というと川が氾濫し短時間で流域一帯が流される、あるいは、鉄砲水のように上流から一気に水が流れてきて下流周辺で大きな被害が出るというイメージですが、タイでは、激しい雨が降りやんだ後も周辺に水がたまり、なかなか水が引かないイメージです。記憶に新しいのは2011年の大洪水です。タイの中心を流れるチャオプラヤ川の水位が上がり、中部アユタヤからバンコクまで広い範囲で洪水が発生しました。ひどいところは2メートル以上も水面が上昇し、一か月近く水が引きませんでした。日系企業に大きな被害がでました。タイは例年5月から雨期に入ります。今年は雨季に入り降雨量が増えたところに台風(熱帯性低気圧)やモンスーンが重なりタイ各地で洪水被害が出ています。チャオプラヤ川の高低差が少ないという地形的な特徴、とくにアユタヤからバンコクまでは殆ど高低差がないことから、降雨量が海に流れる量(排水能力)を超えると周辺に水がたまり海に流れていかないという構造的な問題があります。2011年の大洪水以降、タイ政府は排水設備や水門の整備など洪水対策は行っておりますが、今年のように想定外の降雨となると対策が追い付いていないのが実情です。現時点では産業界に大きな被害がでておりませんが、2011年の教訓が生かされているからだと思います。