タイ国有鉄道(SRT)によれば、タイの首都バンコクとラオスの首都ビエンチャンを結ぶ鉄道サービスが7月19日に正式に開業する。同日は最初の列車がバンコクのクルンテープ・アピワット中央ターミナル駅(旧バンスー中央駅)を午後9時25分に出発し、翌20日午前9時5分にビエンチャン(カムサワート)駅に到着する予定。この駅から乗り合いバンやタクシーなどの公共輸送機関を使って7-9キロ離れたビエンチャンの中心街を訪れることが可能という。バンコクからビエンチャンまでの鉄道による旅は、料金が最も安い3等で片道約300バーツ、所要時間は片道約10時間となっている。鉄道網の整備により、タイ~ラオス間の人や貨物の輸送が活発化され、将来的には中国ラオス鉄道と接続することで中国への延伸も可能になると期待されている。 【ここがポイント!】2021年、中国南西部主要都市・雲南省昆明とラオスの首都ビエンチャン間のおよそ1000キロを約10時間で結ぶ高速鉄道の中国ラオス(中老)鉄道が開通しました。一方タイ側では、中老鉄道をバンコク、さらには主要港のレムチャバンまで延伸させる二つ目の高速鉄道プロジェクトが中国・タイ共同で計画されておりますが、建設費の膨張や政治的理由で遅々として進んでおりません。今回の在来線の鉄道サービスの開始は低速とはいえ将来の中国への延伸の布石といえ、中国側から見ると習近平政権の一帯一路政策に沿ったものです。タイがラオスと陸路で結び付くことで中国経済圏に取り込まれていく危惧がありますが、タイは全方位外交を維持しており、タイ側が中国からの資金提供を拒んでいるのが遅延の理由とも言われております。ラオスを始め、カンボジア、ミャンマーは中国の影響下にあり、日系企業にとって重要市場である東南アジアの地政学バランスには今後とも要注意かと思います。