政治活動家のルアンクライ氏は、選挙管理委員会(EC)に対し、ペートンタン首相が首相になってから2週間後までゴルフ&スポーツクラブの株式を売却しなかったことを理由に首相を解任すべきと申し立てた。汚職防止のため閣僚が会社の株式の5%以上を保有することを法律が禁じているが、ペートンタン首相はアルパイン・ゴルフ&スポーツクラブの30%の株式を保有していたとルアンクライ氏は主張している。ペートンタン首相は8月16日に議会で首相に選出され、8月18日に国王陛下から正式な承認を受けたが、9月3日までその株式を保有していたと主張。ルアンクライ氏は、ECに調査を迅速化するよう促し、国家汚職防止委員会に同様の苦情を申し立てると付け加えた。今回の申し立てにより、これまでにタイ貢献党やペートンタン首相に対して提出された申し立ての数は13件となり、そのうち6件はルアンクライ氏によるもので、さまざまな機関に提出された。すべての申し立て書は、首相または貢献党が下したさまざまな決定に関連する汚職または倫理違反を主張している。 【ここがポイント!】政治活動家のルアンクライ氏は弁護士でタイ国民国家の力党(PPRP)所属の元上院議員ですが、国の独立委員会、憲法裁判所へ様々な嘆願、申し立てを行っていることで有名です。タイで支持率の高かった前進党の解党請求にも関わっていました。同党が不敬罪廃止を公約に入れたことが憲法違反だとして憲法裁判所に申し立て、裁判所はその申し立てを受理し審議の結果、今年解党判決となりました。ペートンタン政権が発足してまだ日が浅いですが、早速様々な申し立てを行っています。タイの現憲法下では、憲法裁判所を始め選挙管理委員会、汚職追放委員会のような政権からは独立した機関がいくつか存在します。本来の目的は政権の暴走を止める役割ですが、この数年は政治情勢に大きな影響を与える判断を出してきてます。ルアンクライ氏の背景や独立機関の審議過程は見えないところが多いですが、今回の申し立てが今後どのように扱われていくのか注視する必要があると思います。