スイス・ローザンヌに本部を持つ国際経営開発研究所(IMD)が発表した2024年版「世界競争力年鑑」(調査対象67カ国)で、タイの国際競争力の順位が昨年の30位から25位に上昇した。ASEAN(東南アジア諸国連合)加盟国に限定すると、タイは全体1位のシンガポールの次で、34位のマレーシアより上位となっている。他のASEAN加盟7か国はランキング調査対象外。今年のランキングで10位以内に入ったアジアの国・地域は、首位のシンガポールのほか、5位の香港、8位の台湾となっている。他の主要国については、米国が12位、中国が14位、韓国が20位、日本が38位、インドが39位だった。また、ランキングは4大項目の評価点で決められているが、ダヌチャ国家経済社会開発評議会(NESDC)事務局長によれば、タイは経済項目の順位を16位から5位へと11ランク上げた。また、今年のランキングでは、タイの総合評価点は72.5ポイントで前年の74.5ポイントを下回ったものの、経済の減速で他の多くの国がさらにポイントを減らしており、その結果、タイの順位が上昇したとのことだ。 【ここがポイント!】国際競争力上昇の要因は幾つかの背景が複合していると思われますが、投資環境の良さは大きいと思います。東南アジアの周辺諸国に比べて物流などインフラ整備が進んでおり、ビジネス関連の法制整備やタイ政府の奨励策は外資系企業にとって投資しやすい環境と言えるでしょう。タイには投資委員会(Board of Investment)という政府機関が主に外資企業に様々な特典を与えています。現在約5千社の日系企業が進出しており、その内1700社が加盟する盤谷日本人会商工会議所がタイ政府との窓口になって日系企業の抱える課題解決の助けとなっております。タイ国内市場は伸び悩んでおりますが、タイを拠点にさらなる展開を検討することは事業拡大の一つの選択肢かと思います。タイを次なる事業拡大の拠点と考えておられる方は是非ともご相談ください。