タイ工業連盟(FTI)の最新の調査によると、FTIの幹部やメンバーである150人の回答者全員が、トランプ氏の経済政策がタイの製造業に確実に影響を与えると考えており、56.7%が中程度の影響を予想し、25.3%が大きな影響を警戒し、18%が限定的な影響を予想している。「大半の人々は、トランプ氏が1月20日に大統領に就任し、経済政策がより明確になるのを待っているため、新政権の新しい政策について中程度の懸念を抱いている」とFTI副会長は述べた。この調査では、貿易と投資への影響が予想され(62%)、次いでバーツ相場(52%)、地政学的リスク(25.3%)、資本市場と米国の同盟国への影響(19.3%)が明らかになった。製造業にとって最大の懸念事項として、66%が外国製品に対する米国の関税引き上げを挙げているとFTIは明らかにした。トランプ大統領は先に、すべての輸入製品に10〜20%の関税を課し、中国からの輸入品には60〜100%の関税を課すと述べた。トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」政策は、米国本土への投資につながる可能性があると回答した人が31.3%で、次いで、温暖化抑制のパリ協定」からの離脱(30.7%)や、多国間協力よりも二国間協力に重点を置いた米国の外交政策の変更(28%)がそれに続いた。回答者の大多数は、タイの製造業者が世界基準を満たす製品を開発し、米国以外の新しい輸出市場を模索する必要性を強調している。【ここがポイント!】トランプ政権がどのような経済政策をとるかは現時点では明確になっておりませんが、保護主義、自国第一主義に傾くことは確実で、タイなどの東南アジアからの輸入品への関税が賦課あるいは上がることは予想されます。米国はタイの主要な輸出先の一つで、タイの製造業の経営者は、その影響を懸念してます。タイは米国とは同盟関係にあるので、大きな影響はないという見方がある一方で、中国からタイへ進出してきた中国系タイ企業の米国への輸出が原産地を変えた中国品の輸出とみなされると話は変わってきます。中国のEVメーカーは、タイ向け輸出において優遇措置を受けてますが、タイ国内生産のコミットと引き換えで、今後、本格的にタイでの生産を行うと米国向けの輸出が増えると予想され、米国がどのように対応していくか注視の必要があると思われます。