19日付のタイ現地紙によると、タイのピパット労相は最低賃金(日給)を当初の予定通り10月1日から全国一律400バーツ(約1700円)に引き上げることを主張した。タイでは賃金委員会が各県ごとの物価や生活水準、原材料費などの指標に基づいて引き上げ幅を決め、政労使三者の代表で構成する中央賃金委員会に提案、承認されれば閣議で了承を受ける仕組みとなっている。しかし、最低賃金の引き上げを審議するために16日に開かれた賃金委員会の会合では、委員15人のうち雇用者側代表の5人が欠席したため、審議が先送りされていた。ピパット労相は、賃金委員会は20日に会合を再開するとし、雇用者側代表が再び欠席した場合は残る委員が審議を継続するだろうと述べた。また、同相は賃上げは雇用者に影響を与えるとの認識を示したが、政府は緩和策を講じるとも強調した。 【ここがポイント!】タイの労働者保護法の中に最低賃金の規定があります。この規定に基づき労働相の下に賃金委員会が設置され、各県毎、業種毎に最低賃金を決めることになってます。この委員会の構成は、雇用側、労働者側、政府側の3者となっており、直近では今年1月に改訂され、一日当たり330バーツから370バーツに引き上げられました。この時の平均の値上げ率は2.4%となっています。2023年の下院選挙の時に現与党タイ貢献党は公約の中で、2027年までに全国一律に最低賃金600バーツを掲げておりました。雇用側は当然ながら大幅な賃上げは競争力悪化を招くので反対の立場をとっており、今年10月からの再賃上げにも難色を示しております。委員会欠席はその意思表明と思われます。現在の経済情勢を鑑みると大幅な賃上げは客観的に難しいといえますが、一方で、労働者不足が深刻になってきていることや現政権の政治的立ち位置を考えると上げざるを得ない事情もあり、今後の委員会での議論が注目されます。