人民党(People’s Party)が、タイ名誉党(Bhumjaithai Party)の党首アヌティン氏を首相候補として支持する意思を表明した。同党の支援には、以下の 5つの条件が付されている。人民党が提示した条件は以下の5項目。1. 新首相は、国会で政府の施政方針演説を行った後、4か月以内に下院を解散し、総選挙を実施する。2. 憲法裁判所が、2017年憲法第256条に基づき改正に先立って国民投票が必要だと判断した場合、新内閣は、憲法起草議会を設立するため憲法改正についての国民投票を実施しなければならない。その国民投票は、総選挙の日までに行われなければならない。3. 憲法裁判所が、2017年憲法改正に国民投票は不要と判断した場合、新内閣は人民党およびタイ名誉党と協力し、憲法改正を早急に進めるため現下院の任期中に選挙で選ばれた憲法起草議会を設立して新憲法起草に取り掛かる。4. 新首相が4か月以内に下院を解散することを確実にするため、タイ名誉党は多数派政権を形成するための工作を行ってはならない。5. 人民党は、新政権を厳しく監視するため野党の立場にとどまる。また、人民党所属員は閣僚ポストに就かない。人民党は143人の議員を擁し、下院で最大の政党であるが、先週金曜日に憲法裁判所がペートンタン氏を首相職から解任したことを受け、政局のキャスティングボートを握る存在となった。ここ数日、タイ貢献党とタイ名誉党は、それぞれの首相候補であるチャイカセム氏とアヌティン氏への支持を得ようと人民党に働きかけてきたが、最終的に人民党はタイ名誉党への支持を決めた。人民党は2023年の総選挙で下院第一党となったものの、政権樹立ではタイ貢献党に出し抜かれ、最終的には野党第一党に甘んじることとなった。 【ここがポイント】驚くべき展開となりました。ペートンタン首相が憲法裁判所により解任され、その後継が連立与党から離脱したタイ名誉党の党首アヌティン氏になること以上に、過去二回解党処分を受けた政党がアヌティン氏支持に回ったことです。人民党は、反王室、憲法改正を掲げ、タイ立憲君主政治とは距離を置く政党なので、5項目の条件を付けたとはいえ、体制側ど真ん中の政党と組むことは想像してませんでした。新政権がこの5項目の条件を本当に実行するのか注視していく必要があります。